おいしさのひみつ
醤油仕込み直後の「荒櫂」作業
圧搾機で搾って醤油にする
醤油の搾り粕
日本の食卓には欠かせない調味料である味噌と醤油。この味噌と醤油はもともと同じ起源を持っているといわれています。醤油のルーツをたどっていくと、古代中国で生まれた「醤(ひしお)」という調味料にまでさかのぼることができます。この「醤」が日本に伝えられ、長い歴史の中でそれぞれ独自の製法により、味噌と醤油に分かれたといわれています。
奈良の唐招提寺の開祖、鑑真和上が来日した当時、奈良の都の市場には「醤」を商う店が既にあったといわれています。また「大宝律令」の中にも「醤」の字があることが確認されています。この時代から、醤油は庶民の生活に不可欠な食品になっていたようです。
平安時代になると、「醤」の一つである「穀醤」から味噌が作り出されるようになりました。室町時代になると味噌汁が食卓に登場するようになり、味噌は一般的な調味料として広く用いられるようになりました。
現代では、大手企業が工場で味噌や醤油を生産するようになりましたが、昔から水の綺麗な場所には、酒蔵や味噌・醤油の醸造場が多く見られました。実は味噌・醤油は地酒と同じで、その土地その土地の水や気候などの風土に関係して独特の味を作っているのです。
梅谷醸造元は、醸造場のすぐ裏に吉野川が位置するという水に恵まれたこの場所で、先代が作り上げてきたおい しい味噌・醤油造りの知恵と伝統を伝え、さらに磨きをかけようと、吉野杉の大樽での醸造にこだわり続けています。
大勢の観光客でにぎわう夏の吉野川、そして紅葉の秋を経て、年に1度、1月から2月の寒の頃には集中して「仕込み」を行います。これは空気中の雑菌が少なく、良い麹(こうじ)をつくるのに適している季節だからです。
ご予約をいただければどなたでもこの蔵の見学をしていただくことができます。 ぜひお立ち寄りください。