宮滝だより

宮滝は滝にあらず? 2003.06

宮滝河川交流センターが完成して初めての夏を迎えようとしています。万葉集等によく歌われた宮滝の川を望んだ絶好の場所に昨年完成しました。前は製材所があった場所でその前は「柴橋中学校」があったところです。そのまた前は河原だったらしいです。 周辺の河原も整備され、特に上流へ下りていく道が綺麗になりました。下っていったところが「宮の滝」といって宮滝の地名の元になっている名がついています。滝と云っても「滝」でなく、たぎつ瀬のこと。たぎつ瀬とは川底の岩などの変化でさかまいたり激しく流れる瀬をいいます。

柿本人麻呂は「滝のみやこ」と歌っています。小さい頃は「昔、宮滝には大きな滝があった」と思いこんでいたので、たぎつ瀬が宮滝の滝のことと知ったときは、なにか騙されたような気がしたものです。江戸時代の貝原益軒も『和州巡覧記』で「宮滝は滝にあらず。」と書いてますが、1200年前の吉野川、300年前の吉野川に比べ流れる水の量は格段に少なくなっているので、たぎつ瀬も今見るものとはだいぶんに変わっていると思われます。 (※宮滝交流センターは一般の方も利用できます。お問い合わせは当社まで)


宮滝河川交流センター

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